
エステ脱毛か医療脱毛か、で一番悩ましいのが、この電気脱毛(ニードル脱毛)ですね。肌に針を刺す行為は医療行為である、と明確に厚生労働省(当時の厚生省)が通達・医事第69号を出しています。だから、電気脱毛は医療行為であり、エステでは実施できないと医療機関は当然のことながら主張しています。
針を使う施術は確かにリスクがあります。しかし、針を使う電気脱毛は機械の性能に依存することの多いレーザー脱毛とはかなり趣を異にします。電気脱毛は施術者の知識とスキルに追う部分がとても多いのです。医者なら問題なく処置ができ、エステでは絶対にうまくいかない、そういう性格のものではないのです。
たった10年というレーザー脱毛の歴史とは比較にならないほど長い歴史を電気脱毛(ニードル脱毛)は持っています。最近になって、永久脱毛が専門的な知識と技術を必要とするという反省に立って、医師の側もエステ側もそれぞれ別個に脱毛に関する資格を認定する動きが出ています。それが"脱毛師"という資格です。
同じものさしの国家資格ではありませんが、ともに100時間程度の講義、実習を経て認定が行われます。野放し状態から一歩前進しようとしています。
1875年にアメリカでさかさまつげの治療として、発毛組織に直流電流を流し、組織液を電気分解する電気分解法が行われました。電気分解作用でできる水酸化ナトリウム液が毛包組織を破壊することで発毛が行われなくなるというものです。これが電気脱毛の最初です。
20世紀に入ると、電気分解法は改良され、電気脱毛士のトレーニングも行われるようになりました。"電気脱毛士"の誕生です。
1924年にフランスで高周波電流を使用する永久脱毛法が考案されました。電気脱毛に比べて処理時間が早くなりました。
1948年になると、電気脱毛と高周波脱毛法を組み合わせたブレンド法が提案されました。法的に高周波出力に制限のあるエステで、現在、このブレンド法が主流となっている電気脱毛法なのです。
一方、医療機関でも1986年小林敏男博士により開発された絶縁針に高周波を流す電気脱毛("小林式脱毛法"と呼ばれます)が行われてきました。絶縁針のおかげで表皮を傷つけることなく、医療用高周波が利用できるため、短時間で永久脱毛が完了します。
このように電気脱毛はエステの方が歴史が古いともいえ、エステと病院の2つのルートで独自の発展を遂げてきたのです。医者が厚生労働者の通達を盾にとり、電気脱毛を独占しようとするのは歴史的にみても無理があるようです。
電気脱毛の歴史で説明したように、電気脱毛には大別するとエステで広く行われているブレンド法と呼ばれる方法と、クリニックで行われている高周波脱毛法があります。
電気脱毛は先の丸い5mm〜10mmの細い針を毛穴の中に挿入します。そして高周波と弱い電気で毛根部を破壊する脱毛法です。一本一本に施術することでほぼ永久的な脱毛が可能です。ただ、肌への刺激が強く、かなり強く痛みを感じることもありますので、施術の前にしっかりとカウンセリングを受けてください。
レーザー脱毛が主流となりつつある中、確実に脱毛ができるという点で、電気脱毛はなおエステでもクリニックでも広く行われています。また、レーザー脱毛で残ってしまった毛を除去するのにも重宝な脱毛法なのです。